2011年10月12日水曜日

グリッド工法

グリッド工法
グリッド工法と言う言葉と工法は存在していません。しかし・・・

前回、塩ビタイルデザイン貼りの提案事項の中に使用している言葉です。

床材施工の現場で職人として、施行中に仕上がりに支障をきたす要因を考えたり、それらの
対応と対策・処理の中で、塩ビタイル施工の目地寸法修正の限界を修正墨打ちしながら作業をして
施工することをグリッド工法とネーミングしました。

塩ビタイルを墨打ちをしないでそのまんま積み重ねて施工して行くと、右か左方向に曲がって行きます。

原因としては、下地の不陸もしくは塩ビ タイルの左右に僅かな寸法違いがあるのが考えられます。

塩ビタイル製造工程で、塩ビタイルは外側から冷却が始まります。アニリング(くせとり工程)処理、
抜き工程の金型調整で寸法調整をして塩ビタイルが作られます。

JIS A 5705
の寸法規定より、また、海外製品より品質・精度のよい物づくりされていますが、僅かな
寸法誤差-たとへば0.1mmの寸法違いでも10枚貼りすすむと1mmの寸法差が発生します。

床職人としての配慮

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 真っ直ぐな墨打ちをする。地墨を利用するか、壁合わせ寸法を細かく取り水糸で平均をチェック  して墨打ちを的確に行う。

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 塩ビタイルのロットを確認して、2種類以上のロット及び塩ビタイルを施工する場合はそれぞれ
 
 10枚を真っ直ぐに仮並べして僅かな寸法の誤差を読み取り、施工の納め方の参考にする。

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広い面積での施工はセンターから張り分け、事前に塩ビタイルの誤差より判断してグリット線を
引いて、糊じまいをして調整施工をする。

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 糊じまいは大切な工程です。糊の重なりで塩ビタイルの厚み段差が防げます。

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 不陸による直線施工性の曲がりより、墨合わせを重視しないとサイコロ現象が発生しますので
墨合わせ及びグリット工法処理を考慮して下さい。

塩ビタイルのデザイン貼り

塩ビタイル(塩化ビニルタイル)は温度変化で伸縮します。

色々な塩ビタイルは、製造工場が同じでも僅かに寸法違いがあります。

JIS A 5705
では、塩ビタイルの寸法誤差の許容範囲は±0.10mmになっています。

8インチ塩ビタイルは457.2mmですが、その誤差値は0.4572mmもあります。10枚並べたら約4,5mm
にもなります。

各生産メーカーは、塩ビタイルの寸法誤差を0,20,25mmに抑えて製造していますが・・・・・・・

塩ビタイルの僅かな寸法違いを施工する場合の注意点を下記に示します。

1.施工する塩ビタイルを、仮り墨を打ちそれに沿って10枚ずつ並べて、1枚ではわかりずらい
寸法違いを確認して、寸法の大きい順に仕分ける。

2.基本として、寸法の大きい材料をきつめに施工し小さい物を緩めに合わせるのが施工しやすい。

3.塩ビタイルの寸法が多い場合は、2の施行はできない。大きいタイルは糊じまいの墨(グリット   線)を打ち、後でその場所のセンターより施工して、周囲で殺し仕舞をする。

4.市松施工は同数を貼り分ける場合は、寸法違いが相殺され施工に問題無い。

5.ボーダー施工はボーダーの材料をセンターから貼り分け調整する。

6.広い面積での施工は、中心より貼り始める。寸法違いの目地誤差は約2mm位とし、予測寸法で
寸法調整仕舞線(グリット線)を墨打ちして、調整しながら作業する。

7.塩ビタイルは、長さ(丈)方向と幅方向では製造上、長さ方向の方が寸法違いが大きいので
貼り進む方向に、意匠性で影響が無い場合は、横積み重ねで進んで行くのが寸法違いが
少なくなります。

8.冬など気温差が大きいと朝と昼からの施工では材料の寸法違いが発生するので、午前中は
緩めに詰め、午後からはきつめに施工すると目地違いが少なくなります。
・・・・・・・・書ききれません後日。